Category Archives: 世界/日本社会情勢
知ることへの責任 -私が書くことを好む理由-
これはとても個人的な話です。
私は日本で夏を過ごすのは3年ぶり、近畿圏で夏を過ごすのは4年ぶりです。
去年も一昨年も年中快適気温のナイロビにいたので、昨年暮れに帰国した時から、日本の梅雨と夏には正直恐々としていました。
19歳で初めて海外に出てから、その後10年間ほどは出たり戻ったりを繰り返したので、過去10年について言えばだいたい日本で過ごした時間と海外で過ごした時間が半々くらいになります。
アフリカ回想録③ 再びこの地へ、エチオピア-2013年
この記事はアフリカ回想録エチオピアシリーズの3回目です。
1回目の記事はこちら→アフリカ回想録① 私の愛しい国、エチオピア-2010年
2回目の記事はこちら→アフリカ回想録② 仕事の原点 エチオピア-2010年
今回は2013年に二度目に訪れた時のお話をしたいと思います。
考えてみれば、一つの国に2回以上別の用件で訪れたのは、エチオピアが初めてだったように思います。同じ仕事をしている時に何度も出張に行くことはもちろんありますが、全く別の用で2度以上訪れた国は、今のところエチオピア以外になさそうです。
アフリカ回想録② 仕事の原点 エチオピア-2010年
シリーズ化するつもりで始めたのに随分間が空いてしまいましたが、アフリカ回想録エチオピア編の2回目です。
1回目の記事はこちら→アフリカ回想録① 私の愛しい国、エチオピア-2010年
前回に引き続き、2010年に現地で撮影した写真を交えながら、今回は私のアフリカとの出会いとなったエチオピア出張を振り返ることで、現在に至るまでのキャリアの原点についてお話ししたいと思います。
若さを呪いにする社会 -日本社会における権威のあり方について-
出張でルワンダの首都キガリにいます。
自宅にはテレビがないのでテレビを見る習慣はないのですが、出張中はホテルの部屋にテレビがあるので、この週末は久しぶりにテレビを見て過ごしています。
今日は朝からフランスでマクロン大統領の就任式が行われていたので、BBCの中継を見ていました。
史上最年少でフランス大統領に就任したマクロン氏は39歳。BBCでは何度も彼の年齢を引き合いに出し、彼の若さを強調していました。
上を向いて咲く -東アフリカの小国ルワンダ、悲劇の歴史と「奇跡」の成長-
みなさまこんにちは。
私が今携わっている日本政府資金の国際協力事業、舞台は東アフリカのルワンダです。
ルワンダと言えば、おそらく日本の皆様の多くが最初に思い浮かべるのが、1994年のジェノサイド。「ジェノサイド」という言葉が一般的に認知されるきっかけとなった壮絶な悲劇の舞台です。
あるいは、ビジネス界の方々を中心として、もっと前向きな印象をお持ちの方も増えているかもしれません。
難民支援のあり方 -「被害者」からの脱却、その実現性-
難民問題に関する本”Refuge: Transforming a Broken Refugee System”(今年9月出版)のエコノミスト誌のレビューを目にしました。
今や難民・避難民など強制的に家を追われた人の数は6,500万人で、戦後最大となっています。
レビューによると、世界に散らばる難民の86%は貧しい国で暮らしています。さらに特筆すべきは避難生活の長さ。全ての難民の約半数が、5年以上の長きに渡って避難生活を強いられています。
アフリカに関するステレオタイプ(後編)-開発と援助の混同-
この記事はアフリカに関するステレオタイプ(前編)-統計が覆い隠す現実-の続きです。
前編冒頭で触れた開発関連の実務家や私の友人が言うように、なんらかの統計上でアフリカ人が知能で他の人種に劣ったとして、それは何を意味するのでしょう?
まずは、統計の取り方に問題があります。
例えば英語で試験を行ったのであれば、当然英語力の高い人の結果が良くなる。言語の問題を取り除けたとして、受けてきた教育のレベルが反映される。教育のあまり関係ない、知恵を問うような問題だったとして、我々が真理と信じるものを世界中の人間が真理と信じているかはわからない。
西洋的世界観を前提とする試験を受けさせているとすれば、それは、違う真理の元で生きる人々に試験の作成者の真理を押し付けていることに他ならないのです。
彼らは彼らの真理が唯一無二の真理だと考えているわけですが、実際、アフリカには非科学的(=非西洋的)世界観を真理として信じる人もいるのです。
彼らの世界で共有されている真実を、外部の人間が真実でないと言えるでしょうか。
それが非科学的だから?では科学が真実だとなぜ言い切れるのでしょう。
アフリカに関するステレオタイプ(前編)-統計が覆い隠す現実-
これは2013年6月、私が英国の大学院に通っていたころ、修士論文を書き終えたタイミングで執筆した文章に一部修正を加えたものです。(写真もなく文字数が多いので2回の投稿に分けています。)
アフリカに対しては日本で、そして世界で、かなり偏ったステレオタイプ的な見方がまかり通っています。アフリカ出身の友人たちと一緒にアフリカについて学んだ個人的な経験に基づき、私はそれを正面から批判します。
南スーダンはどこへ向かうのか -内戦、飢饉、「ジェノサイド」-
国連平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊施設部隊が来月5月に完全撤退する南スーダン。
日本では、主に自衛隊派遣という切り口で話題になる国ですね。
2011年7月にスーダンから独立した世界で一番新しい国ですが、2013年末には内戦が勃発。停戦合意をめぐる交渉は二転三転し、2016年7月には首都での暴力行為が再燃し、日本人を含む外国人が一挙に撤退しました。これ以降も自衛隊は現地で活動を続け、日本政府は一貫してPKO五原則は守られていると主張してきましたが、「区切り」を理由に2017年5月末で自衛隊を撤退することが発表されました。