保護猫を迎える③ 保護猫を迎えるまで
この記事は「保護猫を迎える」シリーズの連載3回目です。
1回目の記事はこちら→保護猫を迎える① 猫と育った経験から
2回目の記事はこちら→保護猫を迎える② 殺処分と動物愛護
今回は、保護猫活動と、保護猫を家に迎えるまでの流れについて、私の体験に基づいてご紹介します。
保護猫活動
個人レベルでの動物愛護活動の最たる例として、個人で捨て猫や野良猫を一時的に保護し、里親を探す活動を行っている人々がたくさんいます。このような個人、ないしは同じような活動を組織で行う動物愛護団体等によって保護された猫を、一般的に「保護猫」と呼びます。
我が家で迎えたうたまるも、里親探しのウェブサイト経由で、そのようなボランティアの保護主さんから譲って頂いた保護猫です。
保護猫の里親探しのウェブサイトは色々ありますが、私が定期的に見て使っていたのは下記のサイトです。サイトによっては、猫以外の保護動物の里親募集情報も掲載されています。
ネコジルシ(都道府県別の里親募集情報が見られるツイッターが便利です)
このようなサイトで、保護主さんが掲載してくれる保護猫の情報や写真を見て、条件や好みに合う保護猫を探すことが出来ます。
ウェブサイト経由だとお見合いまで猫とは対面できませんが、譲渡会や保護猫カフェを利用すれば、実際に猫たちを見て選ぶことができますね。譲渡会は首都圏や京阪神なら毎週末のようにどこかで開催されています。上述の「ペットのおうち」には、全国の譲渡会の開催情報も掲載されています。
保護猫カフェといえば有名なのは、ネコリパブリックさんでしょう。こちらの団体はビジネスとして自走できる保護猫カフェで、2022年2月22日までに日本の猫の殺処分数をゼロにすることを目標に掲げています。グッズ販売なども手掛け、全国で店舗が着々と増えています。
また、つい最近、保護猫カフェ協会という組織が立ち上がったようです。この協会のウェブサイトでは、加盟している全国の保護猫カフェの一覧が見られます。
この他、直接動物愛護団体の施設へ行けば、施設で保護されている猫たちに会えます。地域に密着した非営利の動物愛護団体はかなりの数存在しますので、近所で活動している団体を探してみるのも手ですね。
保護猫を迎えるまでの流れ
私の場合は、上述の里親募集ウェブサイトで保護猫を探しました。
ウェブサイトを利用すると、何といってもたくさんの保護猫の情報を見ることが出来ます。私の場合は一度に飼える猫は1匹か2匹なので、より多くの猫の中から「この子!」と思える猫を探したかった、というのがウェブサイトを利用した理由です。
上で里親になりたいと思う猫が見つかったら、まずサイト経由で保護主さんに連絡し、メールや電話で猫の受け入れ態勢(こちらの家族構成や居住環境、猫の飼育経験など諸々)などをお伝えします。その上で、里親候補として検討してもらえることになったら、実際に保護主さんと猫を自宅にお迎えしてお見合いをし、問題がなければまず2週間程度、トライアル期間として実際にその猫と自宅で過ごします。トライアル期間を終えて双方問題がなければそのまま正式譲渡という流れです。
保護主さんによって里親に求める条件はまちまちですが、愛情を持って一生面倒を見ることは必須条件で、里親希望者に十分な責任感があるか、などなど保護主さんがきちんと確認しますので、保護主さんとやりとりするだけでも、保護猫を迎えることに伴う責任の大きさを再認識できます。
こちらの居住環境の確認などは、譲渡会などを利用して保護猫を探す場合でも行われるのが一般的ですので、保護猫を迎えるのは結構時間のかかるプロセスです。ペットショップならその時の勢いで買ってその日のうちに連れて帰って来られるのかもしれませんが(昔そんなCMが流行りましたよね)、保護猫についてはそう気軽にはいきません。
でも、動物を飼うということは、すなわち命を預かるという、とても大きな責任を伴うことなので、本来そのくらい時間をかけて、私たちが一方的にペットを選ぶのではなく、ペットにも私たちのことを知ってもらって、相思相愛の状態で迎えるべきですよね。
このような流れでうたまるは私の家にやって来ました。
最初に里親希望の連絡をしてから正式譲渡まで、私の仕事の都合もあって結局2か月くらいかかったと思います。でも、そのくらい長い時間があったからこそ、私も私のパートナーも、猫を迎えるにあたって気になることがあったらネットで調べたり、猫の飼い方の本を買って読んだりしながら、じっくりと猫を迎える準備ができたと思います。
うたまるが正式に我が家の一員になってからようやく1か月が経ったところです。2人と1匹の家族で、これからも穏やかで楽しい毎日を過ごしていけたらと思います。
この保護猫シリーズ、次回は、保護猫を迎えるにあたってはじめて気付いた社会の問題などについて書きたいと思います。
(今回の記事で使用した写真は、我が家の保護猫うたまるのものです。)