フリーランス1年目を終えて 確定申告・業務獲得・ワークライフバランス
2017年も残すところ数時間となりました。
筆者が個人事業主として開業してから約1年が経ちましたので、2017年の終わりの節目に、フリーランス1年目の仕事と生活を振り返っておこうと思います。
政府が推進する「働き方改革」では、人生100年時代を見据えて副業・兼業も推進されています。
正社員として働きながら副業をする人も増え、今後もこういった新しい働き方は広がっていくものと思います。
これから先、フリーランスとして独立して働くことを視野に入れている人の参考になればと思います。
個人事業主・フリーランス・フリーランサー
まず、「個人事業主」や「フリーランス」という言葉が耳慣れないという方のために、注釈として言葉の意味合いを説明しておきます。
「個人事業主」とは税務上の区分で、税務署に開業届を出すことで登録されます。
対して、こちらは私個人の認識ですが、「フリーランス」ないし「フリーランサー」とは、届け出上の呼び方ではなく一般に普及している呼称で、基本的には、一つの組織に所属せず、仕事を業務単位で請け負って働く人のことを指しています。
私が個人で作っている名刺には英語でフリーランサーと書いてあります。
「フリーランス」と「フリーランサー」は基本的に同じ意味で使われますが、厳密に言うと「フリーランス」が働き方を指すのに対して、「フリーランサー」はそういう働き方の人を指します。
個人事業主になる=確定申告をする
ここでは、制度的な部分をさわりだけ説明します。細かいことはあらためて連載形式で紹介したいと思っています。
私の個人事業主としての開業のきっかけは、以前の所属先を辞す前に新たな職探しをしている段階で、業務委託かつパートタイムという形で仕事が決まったことでした。
組織に所属しないで業務を請け負う形になるので、個人事業主として税務署に届け出をすることが必要でした。
届け出自体はものの数分で終わるのですが、納税額の確定のため、組織に所属している際には必要なかった確定申告を自分で(ないしは税理士に依頼して)行う必要があります。
このため、去年の年末年始休暇には確定申告や複式簿記の本を読んでいたのをよく覚えています。
確定申告には何種類かあって、まず白色申告と青色申告の2種類に分かれ、青色だと所得控除という形で税制優遇が受けられます。青色申告を行う場合には期限内に税務署への届け出が必要です。
私の場合は事前にインターネットで調べる中でこの情報も把握していたので、開業の届け出と同時に青色申告の届け出も行いました。
さらに青色が2種類に分かれ、複式簿記で出納管理を行った場合には、65万円の所得控除が受けられます。複式簿記を採用しない場合には10万円の控除が受けられます。青色申告にはその他にも白色には無い特典があります。
私は65万円控除を受けるために複式簿記を勉強したわけです。
フリーランスとしての仕事探し
働き方改革という時代の流れも手伝って、兼業前提での採用活動を行う企業も増えてきました。
そうは言っても、全体で見れば、まだまだ専任という形で人材を抱え込むのが標準的な採用方法ですから、フリーランスの仕事探しはそんなに楽ではありません。
エンジニアやプログラマー等技術職なら話は別かもしれませんが、私の場合は専門分野が国際協力事業ないし途上国での事業の運営や調整なので、市場はとても狭いです。
もともと文章を書くのは好きなので、ライターとしても仕事を得られるよう、クラウドソーシングのウェブサイトにも複数登録していますが、実際に仕事につながったのは今のところ1件だけです。
その他は、パートタイムやリモートワークといった条件の求人に強い仲介サービスを利用したり、スカウトを受け取れる仲介サービスに登録して、企業から声がかかった時に個別に条件を交渉したり、と、色々なサービスを利用しました。
その意味では、随分色々なウェブサイトで個人情報を垂れ流した1年でした。
でも、このようにして広くアンテナを張った成果は十分にあったと言えます。
フリーランス1年目の実績
開業時に決まっていた業務委託契約は1件でしたので、私は1組織からの業務に収入を依存する形でフリーランス生活をスタートしました。
パートタイムの仕事ですので空き時間はふんだんにあり、それを活用してこのウェブサイトを立ち上げたり(レンタルサーバー選び、マルチサイト化、テーマ選びからの外観構築などなど全部自分でやりました)、別の仕事探しを行いました。
結果、単発のものも含めて仕事の発注主は増え、2017年中に合計4つの組織から業務を請け負いました。
来る2018年には4つ確定(継続3、新規1)、もう1つ調整中という状況です。
そんなわけで、1年目の目標であった収入源の多角化はある程度達成できましたが、収入額で見るとバランスが極端に偏っているので、その点の改善が来年の目標になります。
反省としては、直接収入になる仕事を探すことに躍起になってしまって、せっかく作ったウェブサイトでの執筆活動が疎かになってしまったことがあります。
来年は、読んだ本のレビューも含めてもっと記事を頻繁に投稿したいと思います。
ワークライフバランス
フリーランスになって一番改善したのはなんといってもワークライフバランスです。
私の場合直近の前職がアフリカ駐在だったので特に差が激しいのですが、母国語が公用語である国で、ずっと飼いたかった猫を飼って、自分でかなり自由に働く日や時間を決められる、というのは素晴らしいものでした。
仕事柄、私は定住しないで国内外を転々と移動する生活を何年も続けていましたが、生まれながらの猫好きで、ずっと猫を飼いたくて仕方なかったので(このあたりの経緯は「保護猫を迎える」シリーズをご参照ください)、日本に帰ってきて猫を飼える環境が整ったことが、とても大きな生活環境の改善でした。
面接などでもストレスマネジメントの方法を訪ねられることがよくありますが、私にとっては家に猫がいるということが最上の癒しであり、ストレス対策です。
私の膝で気持ちよさそうに寝ている猫を見ていれば、怒りとか苛立ちとかの負の感情は勝手に薄れていきます。
私が今年請け負った仕事の半分以上はリモートでできるものなので、家にいる時間をたくさん取ることができ、猫や夫とのコミュニケーションもうまくいきました。
特に、夫が長時間家を空ける日には私が家にいるようにするなど、分担ができるのはとても便利です。
結び 来年に向けて
まだまだ発展途上のフリーランス市場ですので、収入が上がることは早々には期待できませんし、そもそも安定的に収入を得ることで苦労することも多いと思います。
それでも、特にリモートワークで生計を立てられるようになれば、生活のサイクルが根本的に変わり、家族(私の場合はもちろん猫を含めて)を真ん中に置いた生き方ができるようになると思います。
来年の目標はいくつかありますが、もっと幅広い仕事を視野に入れられるように自分の能力向上に励む、というのがその一つです。
それに加え、このウェブサイトでの執筆と、その材料としての読書にも、今年以上に力を注いでいきたいと思います。
私の2017年は、変化に富み、笑いと癒しに満ちた充実した1年でした。
仕事の面でも個人として大きく前進した上、結婚して家庭を持ち自覚を新たにしたことで、今まで目を向けてこなかった色々な面で成長できたと思います。
2018年はさらに大きな飛躍を遂げられるよう、一層の自己研鑽に励む所存です。
最後になりましたが、今年このウェブサイトを訪れてくださった皆様、貴重なお時間を割いて私の文章にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
来年はより多く、より良質な内容を発信できるよう努めてまいります。
2018年が皆様にとって良い1年になることを心よりお祈り申し上げます。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。