アフリカ回想録④ ここにしかない景色 エチオピア-2015年

/ 8月 7, 2017/ アフリカ情報

この記事はアフリカ回想録エチオピアシリーズの4回目です。

1回目の記事はこちら→アフリカ回想録① 私の愛しい国、エチオピア-2010年

2回目の記事はこちら→アフリカ回想録② 仕事の原点 エチオピア-2010年

3回目の記事はこちら→アフリカ回想録③ 再びこの地へ、エチオピア-2013年

 

前回は2度目のエチオピア訪問のお話をしました。

3度目の訪問はエチオピア人の友人を訪ねて乗り換えで一泊しただけの短い訪問で、写真もほとんど撮っていないので、今日は4度目の訪問の時に撮った写真をご紹介します。

この時は純粋に観光客としてツアーに参加し、初めてエチオピアで観光らしい観光をしました。

訪れたのは近年日本で人気急上昇中らしい(と、現地でたまたま会った日本人に聞きました)ダナキル・ディプレッションとその周辺の塩の産出地と活火山です。

首都アディスアベバから国内線で北部の中心都市メケレに飛び、そこから四駆で数日間旅をする行程でした。

私が参加したのは現地のツアー会社のパッケージ旅行でしたが、どうやら日本語ガイドの付く日本人向けツアーもあるようで、訪れた名所で日本人ばかりの団体にも出くわしたりもしました。

北部の都市メケレ郊外の風力発電基地。大きな風車が並ぶ。

もちろんダナキル・ディプレッションや火山という目的地があってこそ成り立つツアーなのですが、陸路で移動を続けるので、見どころは道中にもたくさんあります。

長距離の移動では幹線道路を通るので、未舗装のでこぼこ道を通ることは少なかったように思いますが、車での長時間移動はけっこう疲れるものです。それでも、周りの景色を見られないのがもったいないので、移動中に車で眠りこけることはほとんどなかったです。

道路沿いにぽつんと立つ家からこちらを伺う子ども。道路の反対側から歩いてくるラクダの一団。遠くに見える美しい形の山。

エチオピアはとても起伏に富んだ国なので、標高が変わるにつれて移動するうちにどんどん気温が変わるのも新鮮な体験でした。

気温が変われば当然植生も変わります。緑の多かった場所を過ぎてどんどん砂地が増えてきたかと思うと、今度は砂地が塩を含み白みを帯びはじめ、見る間に土壌の水分が増して塩湖に行き着き、そして多様な鉱物が絶景を生み出すダナキル・ディプレッションに至ります。

塩湖を行くラクダの隊列。ここではラクダは土壌から切り出した塩を運ぶ役割を担っている。

塩湖と言えば日本では南米のウユニ塩湖が有名ですね。CMに使われたり小説の舞台になったり。

ここの塩湖もかなりの規模なのですが、あいにく私が行ったときは天気が悪かったので、塩湖に空が映って空の中を歩いているような光景を見ることはできませんでした。

それでも、延々と浅瀬が続くような景色はなかなか見られませんし、裸足で歩いた時に塩の結晶で足の裏が痛かったのでとても印象に残っています。

途中から足の裏が痛すぎてまともに歩けないくらいでしたが、同じツアーにいた欧米の人はたいてい平気そうにしていたので、やっぱり体(というか皮膚?)の作りが違うのかな、なんて思ったものです。

塩の産出地。土壌から切り出した塩をラクダの背に積んでいる。

以前の記事でも少し触れたように思いますが、私は動物が荷役をする姿がとても好きです。

一番最初にエチオピアに来て陸路で地方を巡っていた時、道路でロバが薪や水を運ぶ姿を見るたびにとても心惹かれるものがありました。

私は日本でも都市育ちなのでそもそも生活の中にペット以外の動物がいる光景を見たことが基本的にないのですが、日本で田舎に行ったとしても、動物が労働という形で人間の生活を助けている光景はあまり無いんじゃないかと思います。

アイガモ農法とかはその類と言えると思いますが、日本では牛が畑を耕したりロバが荷物を運んだりはしていないかな、と。

日本ではまず見られないどころか導入される余地もないという意味で、動物の労働が人間の生活の一部として機能している姿は、なにか憧憬に似た感情を呼び起こします。

ダナキル・ディプレッション。場所によって全く異なる色とりどりの摩訶不思議な光景はまさに絶景。

ともあれ旅のハイライトはダナキル・ディプレッション。ナショナルジオグラフィックが特集を組んだとかで日本でも有名になったそうです。私も随分前に何かのきっかけでここのことを知って、是非行きたいと思っていたのを、この時ようやく念願かなって実現できたわけです。

詳しい説明は観光案内で見てもらえばわかりますが、ここでは歩を進めるにつれてとにかく摩訶不思議な光景が次々に現れます。

上の写真のような緑色のエリアがあったり、ラベンダー畑のような紫色のエリアがあったり、丸椅子のような形の白い突起が並ぶエリアがあったり。

この時はやっぱり天気が悪く、私の撮った写真では魅力を伝えきれないので、興味のある方は是非画像検索をしてみてください。そして自身で足を運んでください。地球上でこんな光景を見られるのはどう考えてもここだけです。

エチオピアには東京から直行便が飛んでいますしエチオピア航空は安価なので、気軽に行けます。

ただしこの地域はまともなホテルも公共施設もないので、シャワーどころか水浴びも満足にできないし、トイレは行く先々の草むらで、という感じの旅になります。日本の旅行会社のツアーならわかりませんが。

夜間に山を登り、活火山の火口を間近で見る。夜の迫力もいいが、明け方の光景も神秘的。

すっかり観光案内になってしまいましたが、エチオピアはダナキル・ディプレッションとその周辺地域の他にも見どころ満載の国です。

アフリカでは随一の治安を誇り、物価が安いのも魅力です。

名産のコーヒーも楽しめますし、独特の文化を持つ国なので、民芸品やら革製品やらお土産に困ることもないでしょう。

何年か前から絶景という言葉が随分頻繁に使われるようになったので、絶景という言葉を使ってもあまり響かないかもしれませんが、私にとってダナキル・ディプレッションはまごうことなき絶景でした。

それを取り巻く道中の何気ない景色や現地の人との交流も含めて、是非多くの人におすすめしたい旅です。

 

(この記事で使用した写真は全て、筆者が2015年12月にエチオピアで撮影したものです。)

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